2024年12月21日にTCC主催の学習院大学輔仁会馬術部ツアーに参加させて頂きました。
当日は、参加受け入れ人数30人のところ実際には50人の参加希望者が参加されました。その参加者の多さからいかにぺルセウスシチーが現役時代が人気があった馬なのかを知ることが出来ました。
現在、学習院大学には、15頭の馬が在籍しており、その一頭として引退競争馬ぺルセウスシチーも在籍おります。競走馬としての活躍を終え、学習院大学では第二の人生としてぺルセウスシチーを受け入れ、今後、一般の馬術競技への参加や、乗馬に適した馬となるべく現在生活送り、学生の皆さんの温かいお世話のもと、調教生活を送っております。
学習院大学輔仁会馬術部の歴史
学習院輔仁会馬術部は、1879(明治12)年の馬術開業式以来、140年以上の歴史があります。
現在は目白キャンパス内の馬場で活動を行っており、山手線内で馬に乗れる施設は、唯一この学習院大学と皇居しかありません。そして、学習院大学の厩舎は明治以来現在も大切に使用され、作られた当時の形がそのまま残っていて、現在その貴重さから、文化遺産登録を申請中だそうです。
現在は、吉岡大輔監督のもと学習院大学、学習院高等科の45名の部員で15頭の馬たちの世話と競技大会に向けて日々活動されているそうです。また、ポニーを繋養しており、幼稚園や小学校でのふれあい体験や乗馬体験を通じた、社会貢献活動を積極的に行っていらっしゃいます。競技面では技術顧問と連携しながら馬場馬術を強化し、2022年、2023年と2年連続で全日本学生の馬場団体3位入賞の実績があります。
実際の活動を丁寧に案内頂きました。
今回の見学会では、普段見ることが出来ない厩舎の中や馬の手入れの方法や、洗い方毛並みの整え方なども見学させて頂きました。学生の皆様と実際にお話が出来、日ごろの苦労と15頭それぞれの馬の性格や初心者から始めた学生さんが、一度は必ず乗る馬などを説明していただき、日ごろの苦労と馬たちへの愛情がとても感じられました。
日頃なかなか見られない厩馬車の中をのぞき見
見学会の中で、日頃なかなか見られない馬の運搬に使用する厩馬車(運搬用トラック)も拝見することが出来ました。競馬場や競技会で馬は見るけれど、いったいどのように馬を運んでいるのか?想像もつきませんが、実際は、2トントラックを改造し馬を運搬しているそうです。進行方向に向かって馬を斜めに3頭並べる形に二台を改造しているそうです。縦に3頭馬を並べると、馬がストレスを感じるため斜めにして、興奮した時に馬が後ろ足で壁を蹴り上げることもあるそうなので、壁に足が届きにくい構造に設計されているのも興味深いものでした。
さらに、興味深かったのが、牝馬は絶対に隣同士に並べないそうです。牝馬同士を並べるとなぜか喧嘩というか嫌がるそうです。とても興味深いですね(女性同士は怖いですね)
もう一つ興味深い話が、馬の体温は人間より約1度高いそうで、冬場は車の中が厚くなると馬のかいた汗が蒸発し、トラックの中から湯気が出るそうなので、必ず上に窓をつけるそうです。ある時、馬を搬送中、高速道路のサービスエリアによったところ、トラックから湯気が沸いているのを見たほかのお客さんが、火事だ!と騒ぎになったことがあったそうです。
ペルセウスシチー引退後の姿をもとめて
今回見学会に参加された多くの方は、ペルセウスシチーが3歳からダートへ転向しオープンまで勝ち上がり重賞レースに出走したことを知るファンの方たちがたくさん参加されていました。皆様、我が子を見る目でペルセウスシチーと触れ合い、競馬界で、早く走ることを鍛えてきたぺルセウスシチーが、ゆっくりと走ったり、斜めに走ったりと、新たな挑戦をしている姿を時間の許す限り温かい目でじっくりと見ていらっしゃいました。見学会の途中、馬たちと触れ合う時間があり、皆さんが持ち寄られたにんじんやリンゴなどを直接口に与える姿は、とても愛くるしく、この馬の持つ魅力だなと感じました。
そして、普段は見られない体を洗ってもらい毛並みを整えてもらっているところも拝見しました。洗ってもらっている姿は、とてもリラックスしていて、これが本来の馬の姿なのだと感じ、改めて馬の馬体と毛並みのきれいさに魅了されました。
最後に、引退競走馬のその後
今回ペルセウスシチーとの見学会に参加し、実際にどれくらいの競争馬が年間生産され、引退するのか?
実際には競走馬は約7000頭が生産され、5000頭が引退するとも言われています。そして引退した競走馬が、余生を馬らしく過ごせる馬は、ごくわずか、現役時代それなりの結果を残してきた馬たちは、乗馬クラブや学習院大学のような所へ引き取られ、リトレーニングして余生を過ごします。しかし、多くの馬たちは、所在が分からないか、悲しいことに殺処分されることも多くあるようです。
こういった現状を知り、多くの馬たちが馬らしく余生を生きられる機会を得られるようになってくれればと願うばかりです。今回学習院大学でペルセウスシチーを拝見し、やさしい学生さんたちのもと余生を過ごすことが出来ているペルセウスシチーは大変幸せなうまです。そして、TCC Japanさんのご尽力により、多くの馬が救われていることに微力ながら私も何か出来ないと強く感じております。
和協クリンシン株式会社
東京都稲城市東長沼1439
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